獣医師コラム:首輪よりハーネスをおすすめする理由
首輪とハーネスどちらがおすすめですか?と聞かれましたら、答えはハーネスです。
ハーネスをおすすめする理由について解説いたします。
首輪を装着する首には重要な器官(気管、頸椎、頚動静脈など)があります。そのため首輪のけん引によってこれらの器官へ負担がかかります。気管虚脱や脊椎・脊髄損傷は首輪が原因で起こりえる疾患です。
■気管虚脱とは?
気管虚脱は筒状の気管がつぶれてしまう疾患です。原因はわかっていませんが、遺伝的な要因、肥満、高温多湿、良く吠える犬、首輪などのけん引による外的圧迫などが考えられています。
動物病院で気管虚脱はよく診る疾患です。高齢のトイ犬種でよく起こりますが、中型~大型犬、若い子でも発症することがあります。咳をするとの主訴で来院し検査で診断されることが多いですが、健康診断時に軽度な気管虚脱がみつかることもあります。気管虚脱と診断された子は首輪の使用を中止するよう説明しています。
気管虚脱は進行性の疾患です。手術をしても完治することが難しい疾患です。発症していないワンちゃんも気管虚脱のリスクがある首輪は避け、ハーネスを使用することをおすすめしています。
■脊椎・脊髄損傷とは?
頸椎は7個の骨で構成されていて、その骨には脊髄(神経)が通っています。頸椎や靭帯が傷つくことで痛みを発症することや、脊髄が傷つくことで手足の麻痺や排尿障害などが起こります。
首輪で散歩をしていたワンちゃんが急に頭を動かせなくなり硬直している、痛みから首を触られることを嫌がるなどの主訴で動物病院へ来院されることがあります。首輪による急な衝撃が原因と考えられます。症状が重度な場合、外科手術が必要となることもあります。
首輪は上記のように重要な器官を傷つけてしまうリスクがあるので、首に負担をかけないハーネスがおすすめです。
■ハーネス選びのポイント
・首に負担をかけない構造になっている。Y型ハーネス。
ハーネスでも8の字構造は首に負担がかかります。Y型のハーネスは首を圧迫しない構造になっています。
・脇にハーネスが食い込まない構造になっている。H型ハーネス。
ハーネスが脇に食い込むと運動時に皮膚が擦れ、皮膚炎になることがあります。脇の食い込みがないH型のハーネスがおすすめです。
・すっぽ抜けしにくい。
ワンちゃんはびっくりしたときや、怖くて逃げようとするときに後ろへ後退します。この時にハーネスがすっぽ抜けることがあります。安全のためにもすっぽ抜けしにくいハーネスを選びましょう。
・装着しやすい。
毎日使うものなので装着しやすい物を選びましょう。前足触られることを嫌がる子や、装着時に動きまわってしまう子は前足を触らずに装着できるタイプがおすすめです。
HaqihanaハーネスはY型、H型の特徴をもつハーネスです。ワンちゃんに負担をかけることなく安心、安全にお使いいただけます。