獣医師コラム:眼が赤い!?結膜炎?【赤目の原因は?】

by Alice's Dog & Catスタッフ

Alice's Dog & Cat 獣医師コラム 犬の眼が赤い!?犬の結膜炎? 赤目の原因は?

ワンちゃんや、ネコちゃんの眼が赤いという主訴で動物病院へ来院される患者さんがたくさんいらっしゃいます。

眼が赤い場合、感染・アレルギー・角膜疾患、眼内の炎症、緑内障など様々な原因が考えられます。今回は赤目の原因について詳しく解説いたします。

 

◎ 感染

感染によって結膜に充血が起こります。黄色や緑色の目ヤニが出ます。

・感染性結膜炎

治療:抗生剤点眼薬

   必要があれば薬剤感受性試験を行います。

 

◎ アレルギー

・アレルギー性結膜炎。痒みを伴います。

治療:抗アレルギー点眼薬

 

◎ 角膜疾患

角膜にできた傷が原因で、痛みを伴います。痛みによって眼がショボショボしていることで飼い主が気づきます。

・角膜潰瘍

治療:角膜保護処置(ヒアルロン酸点眼、コンタクトレンズ装着など)

   二次感染予防(抗生剤点眼)

   抗コラゲナーゼ作用(アセチルシステイン点眼、自己血清点眼)

 

◎ 眼内の炎症

感染や外傷、全身性の疾患によって眼内の虹彩や毛様体に炎症が起こること眼が赤くなります。

・前部ぶどう膜炎

ぶどう膜炎を起こす原因:

 全身性疾患(感染症、免疫介在性疾患)

 白内障(水晶体起因性ぶどう膜炎)

 外傷

 緑内障

 水晶体脱臼

 角膜潰瘍

 腫瘍

 強膜炎

 脈絡膜炎

 網膜剥離

 視神経炎など

治療:原因の治療(ぶどう膜炎を起こす原因を特定し、治療します。)

   対処療法・ステロイド点眼

       ・非ステロイドの抗炎症点眼

       ・免疫抑制剤など

 

◎ 高眼圧

高眼圧によって上強膜血管が充血し、眼が赤くなります。

・緑内障

緑内障は失明に至ることもある病気です。早期発見、早期治療が必要です。

緑内障を起こす原因:

 原発性緑内障(多くの場合遺伝性))

 続発性緑内障(水晶体疾患、ぶどう膜炎、眼内腫瘍、網膜剥離)

治療:続発性の場合、原因の治療

   眼圧を下げる処置(点眼、点滴、内服薬)

   外科的治療

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眼が赤い原因は単に結膜炎以外に、失明に至ることもある緑内障など恐ろしい病気が原因のこともあります。眼に起こる炎症を放置していると、角膜潰瘍からぶどう膜炎へ合併症を起こすことや、ぶどう膜炎から緑内障へ合併症を引き起こすことがあります。

ペットの赤目は様子を見ず、気づいたらすぐに動物病院を受診し、原因の診断と治療をしてもらいましょう。

 

参考文献

犬と猫の治療ガイド

実践獣医眼科臨床