獣医師コラム:【コロナウイルス】犬と猫が感染するコロナウイルについて

獣医師コラム:【コロナウイルス】犬と猫が感染するコロナウイルについて - Alice's Dog & Cat

Alice’s Dog&Cat 獣医師コラム

動物病院では「新型コロナウイルスはペットに感染しますか?」や「犬や猫のコロナウイルスは人に感染しますか?」と言う質問が多くなりました。

今回は犬のコロナウイルス、猫のコロナウイルスについて詳しく解説したいと思います。

◎犬コロナウイルス

犬コロナウイルス

犬のコロナウイルスは軽度な胃炎を覚悟します。子犬は適切な処置を受けなかった場合死亡することもあります。

・症状: 食欲不振、嘔吐、下痢、脱水と言った症状が出ます。

・診断: 臨床症状、抗体検査、 PCR検査で検査は可能ですが、他の腸炎に比べて軽い症状であるため確定診断まで行うことはあまりありません。

・治療:特異的な治療法はありません。輸液や消化管運動調節薬を使用した治療を行います。時間の経過によっては少しは回復します。

◎猫コロナウイルス

猫コロナウイルスとは

猫のコロナウイルスは猫腸コロナウイルス( FECV )と、猫伝染性腹膜炎ウイルス( FIPV )が知られています。両方のウイルスは区別が困難で違いは病原性のみです。 FECVFIPVに突然変異を起こすと考えられていますが、詳しくはわかりません。

◎猫腸コロナウイルス(FECV)

・症状:成猫では無症状のことが多く、子猫では一過性の下痢と発熱を保ちます。

・診断:抗体価検査によって検査は可能ですが猫腸コロナウイルスを診断する意義は少ないとされています。

・治療:特異的な治療法はありません。輸液や消化管運動調節薬を使用した治療を行います。後は良いです。

◎猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)

発症した猫のほとんどが死亡する致死率の高い感染症です。

・症状:症状は非特異的です。食欲不振、体重減少、発熱、嘔吐、下痢、粘膜の蒼白、黄疸、胸水・腹水の貯留、眼炎、神経症状などが認められます。

臨床症状より胸水・腹水が貯まるウエットタイプと胸水・腹水は貯めずに眼炎や神経を示すドライタイプ、両方の混合タイプに分類されます。

・診断:臨床症状に加え、高タンパク血症、アルブミン/グロブリン比、猫ウイルス抗体価の上昇、高γグロブリン血症、血液や胸水・腹水からウイルスの遺伝子検査など、検査結果を組み合わせて診断します。

・治療:完全な治療法は確立されていない。プレドニゾロンやインターフェロンを投与する治療を行います。猫コロナウイルスはアルコールで死亡するので消毒を徹底することが重要です。

猫伝染性腹膜炎の朗報

不治の病と言われ続けた猫伝染性腹膜炎(FIP)に朗報です。

MUTIANが猫の伝染性腹膜炎の治療に安全で効果的な治療法であると報告され、伝染性腹膜炎から完治するというケースが多数報告されています。 「MUTIAN協力病院」を検索して、通院可能な動物病院をお探しください。協力病院でMUTIANの治療を受けるメッリトは、再発した場合に無償治療保証を受けることができる点です。

犬コロナウイルスや猫コロナウイルスは人に移ることはありません。犬や猫に腸炎を起こすコロナウイルスは恐れるウイルスではありませんが、伝染性腹膜炎を起こす猫コロナウイルスは致死率も高く、予防法もないのでとても病気です。MUTIANが国内で薬として許可されていることが下りるのが待っています。

参考文献

犬と猫の治療ガイド