この記事の結論
夏の犬連れ帰省・旅行は、①暑さ(熱中症)対策 ②移動中の「固定」 ③帰省先での脱走防止の3つを押さえれば、犬にとっても飼い主様にとっても安心な旅になります。車なら「シートベルトで固定できるドライブベッド」、電車・新幹線なら「全身が入るケース+手回り品きっぷ」が基本。抱っこ乗車と数分の車内放置は、真夏はいちばん危険です。
お盆や夏休みは、愛犬と一緒に実家へ帰省したり、旅行に出かけたりする方がいちばん増える季節です。同時に、動物病院に熱中症の犬が運ばれるのも、迷子の届け出が増えるのもこの季節。私たちはハーネスやキャリー用品を扱う専門店として、毎年この時期に「車ではどう乗せるのが正解?」「新幹線って犬OK?」というご相談をたくさんいただきます。
この記事では、移動手段別(車/電車・新幹線/飛行機)の注意点とルール、帰省先で起きやすいトラブル、そのまま使える持ち物チェックリストまで、正直にまとめました。

夏の犬連れ移動、最大のリスクは「熱中症」と「固定不足」
まず大前提として、犬は人よりずっと暑さに弱い動物です。汗をかけず、パンティング(あえぎ呼吸)でしか体温を下げられないため、気温が高い日の移動はそれ自体が体への負担になります。
- 車内放置は「数分でも」厳禁。JAFのユーザーテストでは、エアコン停止後の車内温度はわずか15分で人が危険を感じるレベルまで上昇しました。窓を少し開けても結果はほぼ変わりません。
- 移動は朝・夕の涼しい時間帯に。渋滞予測も確認し、日中の炎天下を避けるだけでリスクは大きく下がります。
- アスファルトは60℃近くになることも。サービスエリアでの散歩は日陰と芝生を選び、肉球のやけどに注意してください。
そしてもうひとつ見落とされがちなのが「固定」です。膝の上での抱っこ乗車は、急ブレーキの際に愛犬が前方へ投げ出されるだけでなく、運転操作の妨げとして道路交通法第55条(乗車積載方法違反)に問われる可能性もあります。愛犬にも「定位置」と「シートベルト」が必要です。
移動手段別の注意点【比較表】
| 移動手段 | 主なルール・注意点 | 夏の対策 | おすすめの装備 |
|---|---|---|---|
| 車 | 抱っこ・フリー乗車はNG。シートベルト等での固定が基本。2時間ごとに休憩、車内放置は厳禁 | 後部座席にも冷気が届くよう風向き調整。直射日光はサンシェードでカット | シートベルト固定式のドライブベッド |
| 電車・新幹線(JR) | 頭まで全身が入るケースが必須。ケースは長さ70cm以内・3辺合計90cm程度・体重と合わせて10kg以内。「手回り品きっぷ」290円を購入 | ホームでの待ち時間が最も暑い。保冷剤をタオルで包んでケース内に | カバー付きキャリーバッグ/スリング+目隠しネット |
| 飛行機 | 原則、貨物室での預かり。夏季は短頭種(フレブル・パグ等)の受託を中止する航空会社が多い | 真夏の空輸は体温調節の負担が大きく、可能であれば夏の利用自体を避けるのが正直なおすすめ | 航空会社指定のハードクレート |
※電車の規定は鉄道会社ごとに異なります。私鉄・地下鉄をご利用の場合は、事前に各社の「手回り品」規定をご確認ください。
車で帰省する場合|「いつもの定位置」が最大の車酔い対策
車移動でいちばん多いお悩みは車酔いです。犬の車酔いは三半規管への揺れの刺激に加えて、「踏ん張れない不安定さ」と「不安」が大きな原因。座面で体が滑ってしまう状態では、犬はずっと足を踏ん張り続けて疲れ、酔いやすくなります。
- 低重心で囲いのあるベッドに乗せると、体を預けられて揺れの影響を受けにくくなります。
- シートベルトでベッドごと固定すれば、急ブレーキでもずれず、飼い主様も運転に集中できます。
- 出発の3時間前までに食事を済ませ、休憩ごとに少量ずつ水分補給を。
- 普段から短距離のドライブで「車=楽しい場所」の経験を積んでおくと、当日がぐっと楽になります。

電車・新幹線で帰省する場合|ルールを知っていれば怖くない
JRの場合、犬は「頭まで全身が入るケース」に入れた状態で、手回り品きっぷ(290円)を購入すれば一緒に乗車できます。顔を出したままの抱っこやスリングでの乗車は、規定上認められていない会社がほとんどです。
そのうえで、実際に乗ってみると分かるのが「周囲の視線」と「犬側の不安」。カバーや目隠しで外からの視線を遮ってあげるほうが、犬は圧倒的に落ち着きます。狭くてかわいそうに見えますが、犬にとって「囲われた暗めの空間」は本能的に安心できる巣穴なのです。
- 乗車の前に必ず排泄を済ませ、直前の食事は控えめに。
- 指定席は最前列・最後列の足元が広い席や、多目的室に近いデッキ寄りが便利です。
- ホームの照り返しは強烈です。移動はできるだけ屋内経路を選び、待ち時間を短く。
帰省先・旅行先で気をつけること|事故がいちばん多いのは「到着後」
意外に思われるかもしれませんが、迷子や誤食などのトラブルは移動中より到着後の慣れない環境で多く起こります。
- 脱走防止:実家は来客や玄関の開け閉めが多く、網戸や庭からの脱走が起きやすい場所。到着後数日は室内でもリードや迷子札を活用し、首輪+鑑札・迷子札は外さないでください。
- 誤食:お盆はご馳走の季節。ネギ類・ぶどう・チョコ・鶏の骨・串は犬にとって危険です。ご家族、特にお子様やご年配の方に「あげないでね」を最初に共有しましょう。
- 先住ペットとの対面:初対面はリード付きで短時間から。食器と寝床は必ず分けます。
- 動物病院:帰省先の最寄りで、お盆期間に診療している病院と夜間救急を1件ずつ調べておくと安心です。
そして帰省先でも、家と同じにおいのついた「自分の居場所」があると犬は驚くほど落ち着きます。移動に使ったベッドやキャリーが、そのまま滞在先のハウスになるのが理想的です。

犬連れ帰省の持ち物チェックリスト
- ☐ 水・折りたたみボウル(移動中もこまめに)
- ☐ いつものフード+おやつ(滞在日数+1日分)
- ☐ 常備薬・お薬手帳/ワクチン接種証明書(宿・ドッグラン用)
- ☐ 首輪+迷子札・鑑札(移動中も外さない)
- ☐ リード(予備をもう1本)
- ☐ 保冷剤・クールマットなどの暑さ対策グッズ
- ☐ ペットシーツ・うんち袋・消臭スプレー
- ☐ いつものベッド・毛布(においつきの安心グッズ)
- ☐ 帰省先の動物病院・夜間救急のメモ
よくある誤解Q&A
Q. 「短時間なら抱っこで車に乗せてもいいですよね?」
A. おすすめできません。時速40kmでの急ブレーキでも、5kgの犬には体重の何十倍もの衝撃がかかり、前席へ投げ出されれば人も犬も大けがにつながります。助手席はエアバッグの危険もあるため、後部座席で固定が基本です。
Q. 「窓を開けてエンジンを切って、5分だけ車内で待たせるのは?」
A. 真夏は5分でも危険です。窓開けによる温度低下効果はごくわずかというテスト結果が出ています。買い物や食事の間は、必ずどなたかが犬と一緒に車外で待つ計画にしてください。
Q. 「スリングに入れていれば電車に乗れますか?」
A. 顔が出た状態では乗車できない会社がほとんどです。JRは「全身が入るケース」が条件。スリングを使う場合は、目隠しできるネットやヴェールを併用し、事前に利用路線の規定をご確認ください。
Q. 「保冷剤は直接体に当てたほうが冷えますか?」
A. 直接当てると冷えすぎや低温やけどの原因になります。必ずタオルで包み、首元や脇の下の近くに置いてあげてください。
移動スタイル別|安全な旅を支える3つの道具
ここからは、当店が「夏の帰省・旅行」のご相談で実際におすすめしている3つをご紹介します。車=ドライブベッド/電車・お散歩がてらの移動=スリング/電車移動+滞在先のハウス=キャリーバッグという使い分けです。
🚗 車で帰省する子に|Leo & Luna ドライブ用ベッド プレミアム

イタリア・ミラノ発Leo & Lunaのドライブベッドは、シートベルトでベッドごと固定できるため、急ブレーキでもずれにくいのが最大の特徴です。低重心×囲い構造で犬が体を預けて踏ん張れるので、車酔いと落下の両方に配慮できます。高級車のシートにも自然に馴染むデザインで、「車内の雰囲気を壊したくない」という方にも選ばれています。
価格:¥35,200(税込)〜/イタリア製
🐾 電車も通院も抱っこで安心|Kangapooch ドッグスリング

小型犬の帰省で活躍するのが、飛び出し防止ボタン付きのKangapoochスリング。約187gと軽く、飼い主様の肩腰に負担をかけにくい設計で、駅までの徒歩や帰省先でのちょっとした移動に最適です。電車内で全身を覆う必要がある路線では、専用のエアヴェール(別売)を併用すると通気を保ったまま目隠しができます。サイズは愛犬ではなく飼い主様の胸囲で選ぶのがポイントです。
価格:¥16,500(税込)〜/XS〜XL・全サイズ在庫あり
👜 移動も滞在もこれひとつ|Leo & Luna キャリーバッグ トワルドジュイ

エレガントなトワルドジュイ柄のカバー付きキャリーバッグ。カバーで全身をすっぽり覆えるので、電車や新幹線でも周囲の視線を気にせず、犬も落ち着いて移動できます。帰省先に着いたらカバーを外して、そのまま「自分のにおいのついたハウス」に。移動用と滞在用を1つにまとめられるため、荷物を減らしたい帰省にいちばん向いています。
価格:¥29,700(税込)〜/イタリア・ミラノ Leo & Luna
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 犬と新幹線に乗るにはどうすればいいですか?
A. JRでは、頭まで全身が入るケース(長さ70cm以内・3辺合計90cm程度・ケース込み10kg以内)に入れ、乗車駅で手回り品きっぷ(290円)を購入すれば一緒に乗車できます。座席には置けないため、足元に置ける足元スペースの広い席がおすすめです。
Q2. 夏の車内に犬だけで待たせるのは何分までなら大丈夫ですか?
A. 何分でも危険です。エアコンを切った車内はJAFのテストで15分後には人が危険を感じる暑さに達しており、窓を少し開けてもほぼ効果がありません。短時間の買い物でも、必ず誰かが一緒に車外で待ってください。
Q3. 犬の車酔いを防ぐにはどうしたらいいですか?
A. 出発3時間前までに食事を済ませる、2時間ごとに休憩する、体が滑らないよう低重心で囲いのあるドライブベッドに乗せて固定する、の3つが基本です。症状が強い子は、かかりつけ医に酔い止めの相談をしておくと安心です。
Q4. 帰省先で犬が脱走しないか心配です。対策はありますか?
A. 帰省先は玄関の開け閉めや来客が多く、脱走がいちばん起きやすい環境です。首輪+迷子札は室内でも外さない、到着後数日は網戸・庭に注意する、お散歩は普段より短めのリードで、の3点を徹底してください。マイクロチップ登録情報の住所・電話番号も出発前に確認を。
まとめ|準備の9割は「出発前」に決まる
犬との夏の帰省・旅行は、「暑さ」「固定」「脱走防止」の3つを出発前に整えておけば、決して難しいものではありません。愛犬にとっても、家族みんなで過ごすお盆はきっと特別な思い出になります。
Alice's Dog & Catでは、¥15,000以上のご購入で送料無料。スリングのサイズ選びやキャリーの使い方など、迷われたらお気軽にご相談ください。愛犬の体格と移動スタイルに合わせて、専門店として正直にご提案します。