獣医師コラム:【緊急事態宣言】 動物病院の通院について
4月14日現在7都道府県にて緊急事態宣言が発令されています。緊急事態宣言発令地域、また発令されていない地域においても新型コロナウイルス感染拡大防止のためにも、不要不急の外出は控えなければなりません。
動物病院通院のため外出することで新型コロナウイルスへの感染リスクなどを心配されている方からの問い合わせも増えています。動物病院への通院はどうしたらよいのか?今回は動物病院への来院を延期してよい場合、来院が必要な場合、来院するときの注意事項などを解説いたします。
来院を延期してよい場合
■ 狂犬病予防接種
新型コロナウイルスの影響で、各地で狂犬病集合注射が中止されています。今まで集合注射で予防接種を受けていた方は動物病院で受けましょう。
狂犬病予防法では、4月から6月が注射期間とされています。毎年4月に接種していたからと焦って4月、5月に接種する必要はありません。新型コロナウイルスが落ち着いてから、忘れずに接種しましょう。(止む負えない理由などで6月までに接種できなかった場合、6月以降も動物病院で狂犬病予防接種は受けられるのでご安心ください。)
■ 混合ワクチン
毎年4月、5月に混合ワクチンを打っていたのでどうしたらよいか?という方は延期してもよいでしょう。緊急事態宣言でペットを連れての旅行やペットが集まる場所出かけることはないかと思います、またワクチンによる抗体は1年ぴったりで切れると言うわけではありません。新型コロナウイルスが落ち着いてから、忘れずに接種しましょう。
5月末までなら来院を延期できる場合(暖かい地域は異なります)
■ フィラリア予防薬
フィラリア予防薬の投与期間は4月~12月までや5月末~11月末まで、1年中など、地域や動物病院の方針によって多少異なります。また予防薬処方時には、前年度の予防ができているか?フィラリア感染はないかの確認の検査が必要な病院、任意で検査する病院など様々です。この検査は動物病院で受けるため来院が必要です。
フィラリア予防薬は投与する期間が重要です。予防薬の投与を6月や7月からに遅らせることは予防が不完全になってしまいます。遅くても5月末から1か月に1回の投与を開始するべきです。
来院による感染リスクなど心配な方は動物病院へ電話で相談してみましょう。病院によっては待合室が混雑しないよう予約診療へ変更、希望があれば予防薬のみの処方(検査していないため何かあった場合自己責任となります。)などの方法で対処しているところもあるようです。
来院が必要な場合
■ 病気、ケガでの来院
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、飼い主様の安全確保・動物病院内での感染防止のため各病院では予約診療制、待合室ではなく車内で待機して頂く、来院時のアルコール消毒などの対策をとっています。来院前にかかりつけのHPや電話で確認をしましょう。
病気やケガの場合、緊急性があるかどうかは自己判断せずに電話で獣医師に相談しましょう。
・動物病院へ来院する場合
できる限りマスクを着用し、できる限りオーナー様1人で来院しましょう。待合室が混雑している場合は、車内や外で待つなどして大勢の患者様が密集することを避けましょう。
・薬だけ処方してもらう場合
オーナー様のみ来院する場合も上記の事に注意しましょう。
新型コロナウイルスに関する対応として、一部のペット保険会社ではペットを伴わない通院も保険適応となっています。動物病院でもペットの状態によっては薬のみ処方するなど柔軟な対応を取っています。ペットを診察せずに薬を処方することになるので、元気・食欲、などの一般状態をしっかり獣医師へ伝えましょう。また自宅でペットの体重を計っておきましょう。
高齢のオーナー様や乳幼児のいるオーナー様、妊娠中のオーナー様はできるだけ外出を控えていると思います。このような方は電話でペットの状態を伝え代理の方が来院する、薬は郵送などの方法はできるかなど動物病院に相談してみるのも良いかと思います。
新型コロナウイルス感染症が落ち着くまでは、予防接種やワクチンなど緊急性がない事は延期し、通院が必要な場合は感染リスクを最小限にできるよう細心の注意を払い来院しましょう。
オーナー様が新型コロナウイルスに感染した場合、ペットをどうするか?
新しい情報です。参考にしてください。
※東京都獣医師会
飼い主さんに向けて(新型コロナウイルスQ&A)
https://www.tvma.or.jp/public/items/1-20200408%28Q%26A-5%EF%BC%89.pdf
4月8日時点での最新情報が載っています。
※新型コロナウイルスに感染した人が飼っているペットを預かるために知っておきたいこと
https://www.tvma.or.jp/public/items/1-20200406%EF%BC%88COVID-19.pdf
ペットを預かる際の注意事項、消毒方法、シャンプー方法などを詳しく説明しています。
※アニコムホールディングス株式会社
コロナ感染者のペットを無償でお預かりする[#Stay Anicom]プロジェクト
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000033.000028421.html
新型コロナウイルスに感染してしまった飼い主さまのためのサービスです。
希望者は専用フォームから申し込みます。