獣医師コラム:#Stay Home ペットとおうちで過ごす時間 【自宅でできるお手入れ・ケア、遊び】
緊急事態宣言が全国に発令され、外出を控えペットとおうちで過ごす時間が増えていると思います。お手入れ・ケアや遊びなどでペットとおうちで過ごす時間を楽しんでみてはいかがでしょうか?
■ お手入れ・ケア
耳掃除やブラッシングなどのお手入れはペットの健康管理ができやスキンシップもとれます。トリミングサロンが休業要請の対象になっている場合もあり、いつも利用しているサロンが閉まっていてお手入れができない方もこの機会に自宅でケアできるようにチャレンジしてみましょう。
・耳掃除
耳の中をのぞき、耳垢が異常についていないか?変な臭いはしないか?耳の皮膚が赤くただれていないかチェックします。異常がある時は外耳炎になっているので、ペットは耳を触られることを嫌がります。
掃除は専用のイヤークリーナと脱脂綿を使用します。耳に異常がない場合は、直接耳にクリーナーを垂らして耳を揉みこみ脱脂綿でふき取るか、脱脂綿にクリーナーを湿らせて汚れを拭き取ります。綿棒の使用は、汚れを耳の奥へ押し込んでしまうので自宅でのケアでは控えましょう。
・爪切り
爪切りは慣れていない子は自宅でのカットは難しいこともあります。普段から足先・爪を触られることに慣れさせておくことが大切です。一度にすべての爪を切ろうとせずに、慣れるまでは無理をせずに1,2か所カットできたら次回にするなどしましょう。
猫は人用の爪切りでもカットできますが、犬の場合専用の爪切りを使用します。犬・猫の爪の中は血管と神経が走っています。白い爪の子はピンク色の血管が見えるのでカットはその手前までです。黒い爪の子は血管が見えないので少しずつカットしていきます。少し長めでも良いので失敗して痛い思いをさせないように気をつけましょう。カットさせてくれたらご褒美をあげ、良いことともあると理解させるとよいでしょう。
・肛門腺絞り
犬・猫の肛門には、肛門腺という分泌物を溜める袋があります。通常はうんちの時や興奮時にこの袋から分泌物が排出されますが、うまく排出されないと分泌物が溜まりすぎて痒みをともない、ひどくなると袋に炎症が起こり破裂してしまいます。定期的に肛門腺を絞る必要があります。
肛門腺の位置は肛門を時計の針の中心に例えると、4時と8時の位置に袋があります。片手で尻尾を軽く持ち上げ、もう片方の手で肛門腺の2か所を親指と人差し指でつまみ、肛門に向けて絞り出すイメージです。飛び散るととても臭いので、肛門をティッシュで覆うか、シャンプー時にお風呂場で行うとよいでしょう。
・シャンプー
猫は基本的にシャンプーの必要はありません。犬は定期的にシャンプーをする必要があります。心臓病など持病のある子はシャンプーすることで負担がかかるので無理せず、ドライシャンプーなどで汚れを落としましょう。
犬専用のシャンプーを使います。全身をしっかりぬるま湯で濡らし、シャンプーをよく泡立てます。全身を触りながら皮膚の炎症や腫瘍などのできものがないかチェックしながら行いましょう。全体がしっかり泡立ったらぬるま湯でしっかり洗い流します。その後タオルドライ、ドライヤーで乾かします。皮膚の弱い子はドライヤーで皮膚を暖め過ぎないように気をつけましょう。
・ブラッシング
ブラッシングの頻度は毛の質や長さによりますが、健康に保つには毎日~週に2,3回です。換毛期は頻度を増やします。フケが出ていないか?皮膚に炎症はないか?ノミやダニがついていないか?などチェックしながら行いましょう。
■ おうちでの遊び
お散歩は禁止されていませんが、感染リスクを下げるため人や犬が集まる公園やドックランは控え、人込みを避けたお散歩コースを選びましょう。また、帰宅後はしっかり手洗いうがい、ワンちゃんの被毛、足裏の除菌を行いましょう。猫は外に出さずに家で過ごします。
お散歩が短くなりエネルギーが有り余ってしまうワンちゃんは、おうち遊びを工夫してみましょう。
・遊ぶ前に部屋に危険な個所がないか見直しましょう。
- 可能であれば広いスペースを確保する。家具の配置を変え、走り回れるようなスペースを作ってみましょう。猫は上下の運動を好むのでキャットタワーがあるとよいでしょう。
- ペットが滑らないように床にマットや絨毯を敷く。
- おもちゃの用意。おもちゃはペット用に売られているもの、飲み込めない大きさ、簡単に噛みちぎれない耐久性のあるものを選びましょう。
・物を投げてとってきてもらう遊び。運動不足の解消にもなります。
・引っ張りっこ。飲み込めないもの、人の手がワンちゃんの歯に当たらないもの、簡単に千切れないものを選びましょう。
・おもちゃや食べ物を隠し、探させる遊び。
・知育おもちゃを使った遊び。転がすと餌が出てくるボールは頭も体も使って遊べます。
新型コロナウイルスのニュースで暗い気持ちになりがちですが、外出自粛でペットと過ごす貴重な時間が増えたと考え、普段できなかったケアや遊びでペットと過ごす時間を楽しみましょう。