獣医師コラム:犬種によるかかりやすい病気

獣医師コラム:犬種によるかかりやすい病気 - Alice's Dog & Cat

コロナ禍で家にいるのに時間がかかって、ペットを飼う人が増えています。

ペットを購入する前に、その子になりやすい病気、もしも病気になったら治療を受けさせられるのか? 病気の予防法はあるのか?

今回は代表的な犬種について特定の病気やその予防法、治療について解説いたします。

■小型犬

獣医師コラム 犬種によるかかりやすい病気

僧帽弁閉鎖不全症

高齢の小型犬で多くみられます。 心臓の弁がうまく閉じないので血液の逆流が起こっている心臓病です。

最初は飼い主様が気づくことは難しいです、来院時にたまたま聴診で発見されることが多いです。病気が発見されたら、適切な検査を受けることが重要です。進行度により治療が必要になります。内科的な治療の場合、生涯薬が必要となります。早期発見が大切です。健康診断をきちんと受けましょう。

気管脱虚

中型の小型犬(ポメラニアン、ヨークシャー・テリア、マルチーズ、チワワ、プードルなど)によく見られる病気ですが、若く発症することもあります。

内科的な治療は症状を主体とする目的です。 外科治療が行われることもあります。 肥満にならない、気管に負担をかけない、気温湿度に気を付けるなど大切です。

■トイ・プードル

外耳炎

耳が垂れていて耳の中に毛が生えているため外耳炎にかかりやすいです。

定期的に耳をチェックし臭いがきつい、耳垢が多い場合は動物病院で診てもらいましょう。

 チワワ

膝蓋骨脱臼

膝に膝蓋骨という骨が気づいてしまう病気です。 来院時にたまたま発見されることもありますが、痛みや、歩き方がおかしいと気づくこともあります。

内科の治療は痛みの緩和や進行を期待してサプリメントの使用です。 慢性膝蓋骨脱臼は前十字靭帯断裂や変形関節症の危険があります。 完治のために外科治療が行われることもあります。

水頭症

脊髄液がくも膜下腔に溜まる神経症状が現れる病気です。 脳圧を下げる内科治療や外科手術を行います。 予防法はありません、早期発見、早期治療が大切です。

 柴犬

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アトピー性皮膚炎

環境中のアレルゲンに対して過剰な免疫反応を起こすことで、皮膚のかゆみ、二次感染、脱毛などが起こります。 治療は感染症の治療、かゆみを中心とする薬、抗アレルギー薬、スキンケア、アレルゲンの除去になります。

緑内障

柴犬の緑内障は遺伝が関与されていると言われています。

 ミニチュア・ダックスフンド

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椎間板ヘルニア

軟骨異栄養性犬種であるミニチュア・ダックスフンドは椎間板ヘルニアを起こしやすいです。 脊椎と脊椎の間にあるクッションの役割をしている椎間板が優先神経を圧迫して病気になります。 症状が軽い場合には内科治療が行われることもありますが、是非外科治療が必要です。 また術後もリハビリが必要になります。

進行性網膜萎縮

網膜に進行性の変性がやがて最終的には失明をする遺伝性の疾患です。 初期は夜間に視力が低下し、進行すると明るいところでも物にぶつかるなどの症状が出てきます。

 短頭種

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短頭種気道症候群

短頭種特有の扁平な顔、長くて長い首など解剖学的な構造による閉塞性気道障害です。

グーグーといった呼吸音や激しいパンティング、高体温などの症状が見られます。症状の緩和を目的とした内科治療が行われます。 1歳未満で手術を行うことで高い治療効果があると報告されています。

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病気の良い発犬種なので発症する予防ではありませんが、病気を知っておくことはや早期発見につながります。