獣医師コラム:水をたくさん飲む、尿量が多いのは病気のサイン!

獣医師コラム:水をたくさん飲む、尿量が多いのは病気のサイン! - Alice's Dog & Cat

水をたくさん飲む(多飲)、尿の量が多い(多尿)は様々な病気のサインであることがございます。 今回は多飲・多尿が起こる病気について解説いたします。

多飲とは?

通常の飲水量を超えて水を飲んだ場合、多飲となります。

1日あたりの通常の飲水量

犬:体重1㎏あたり20~90ml

猫:体重1㎏あたり0~45ml(フードがドライ、ウェットにより飲水量も変わります。)

例えば5㎏の犬なら、1日100~450mlが通常の飲水量となります。 暑さや運動の影響もあるので1日だけでなく何日間の平均が通常量を超えるような多飲になります。

多尿とは?

1日の尿量が体重1㎏あたり60mlを超えるなら多尿と考えられます。

1日の尿量を毎日測定することは難しいので、尿検査で尿比重を検査して、薄い尿が持続している場合は多尿と判断することもできます。

アリスの犬と猫_獣医師コラム_多尿

多飲多尿が起こる病気は?

・腎不全

・糖尿病

・子宮蓄膿症

・高カルシウム血症

・副腎皮質機能低下症(アジソン病)

・腎盂腎炎

・低カリウム血症

・甲状腺機能亢進症

・肝不全

・尿崩症

・心因性など

■腎不全

Alice's Dog & Cat_獣医師コラム 腎不全

急性腎不全

急性腎不全は命に関わる病気ですが、適切な治療によって腎機能の回復の可能性があります。 原因は腎臓への血流量の低下や、腎毒性物質、尿閉塞など様々です。 症状はかなりな食欲不振、虚脱、冷静沈着、下痢、嘔吐、多飲、多尿、欠乏尿、無尿など様々です。

・慢性腎不全

腎臓に慢性的な病変があり、腎臓の機能が低下していく病気です。

進行してしまった腎臓の病変は元に戻ることはないので、初期に病気の診断をして進行を遅らせる治療が必要です。初期には多尿、体重減少、食欲低下などがみられます。

■糖尿病

糖尿病的な症状は、高血圧、多飲、多尿、体重減少、尿糖などの特徴的な症状です。 糖尿病の合併症で糖尿病性ケトアシドーシスという放置すると命にかかわる病気があります。

子宮蓄膿症

Alice's Dog & Cat_獣医師コラム 子宮蓄膿症

避妊の犬猫にはしばらくいます。子宮内細菌感染が事前になく、子宮に膿が溜まる疾患です。外陰部から排泄がない場合、中毒症状も重く命に悩まされることもあります。症状は食欲不振、元気消失、発熱、多飲、多尿、嘔吐などがあります。

■高カルシウム血症

高カルシウム血症の原因はリンパ腫、慢性腎不全、副腎皮質機能低下症など様々で、高カルシウム血症になって多尿の症状が出ます。

■副腎皮質機能低下症

副腎から分泌されるホルモン不足により、虚弱、体重減少、食欲不振、嘔吐、下痢、多尿、徐脈、低体温、思慮深いなどの症状が出ます。症状はゆっくりと進みますが突然ショック状態に陥ることもあります。

■腎盂腎炎

尿路感染に併発して発症し、多尿や二次的な多飲があります。

■低カリウム血症

低カリウム血症は他の疾患に二次的に起こります。筋脱力や多尿がみられます。

■甲状腺機能亢進症

高齢の猫での発生が多い疾患です。体重の減少や多飲、量、頻脈、消化器症状などとみられます。

■肝不全

様々な原因によって肝臓機能の低下が起こると症状で多飲、多尿がみられることがあります。

■尿崩症

稀な疾患ですが、症状は多飲、多尿を特徴とします。下垂体から分泌されるホルモンの障害による尿崩症や、腎臓の分泌機能障害による尿崩症があります。

多飲、多尿は病気のサインです。中には子宮蓄膿症のように命に関わる緊急性のある病気のこともあります。

水たくさん飲んでいます、尿が多いと感じたら尿を持参し、動物病院へ相談しましょう。